日本語教師資格について

現在文部科学省では日本語教師資格のためのガイドラインを定めており、次の3つの条件のうちのいずれかを満たせば日本語教師の資格があると判断されます。(この規定はガイドラインであり、たとえば医師や弁護士のような「国家資格」ではありません。)

  1. 日本語教育能力検定試験に合格していること
  2. 民間の日本語教師養成講座で学び、420時間以上を終了すること
  3. 日本語教育課程をもつ大学、大学院で学び、学位を取得すること

このガイドラインによると、当CILのコースを終了しただけでは正式な「日本語教師」として認知されるには不十分であることが分かります。ですから「日本語教授法習得証明書」のみでは、とりわけ国内の日本語学校で教師として採用されるのは難しいと考えられます。

とはいえ、海外の事情は大いに異なっています。たとえば、国際交流基金のデータによると、中国、インドネシア、カンボジア、タイ、マレーシア、ベトナム、ネパール、バングラデシュといったアジア諸国において、ネイティブの日本語教師の場合、資格は特に定められていないことが分かります。さらに、ネイティブの日本語教師数が絶対的に不足しているため、CIL発行の日本語教授法習得証明書で教師として採用される可能性がかなりあります。実際、普通の教育を受けた日本語の「ネイティブスピーカー」が、CILの提供する言語教授法を身につけるなら、日本語教師としての職責を十分に果たすことが出来るでしょう。(コラム:「ネイティブスピーカーである」ということ)

それで、日本語教師の仕事に関心があり、海外でその仕事を行ってみたいと思う方、あるいはすでに海外で生活しており、そこで日本語を教えてみたいと思われる方は、日本語教授法習得証明書を携え、直接現地の日本語教育機関や学校、塾などで面接をお受けになることをお勧めいたします。面接の際には、日本語教授法習得証明書や他の資格に加え、明るく元気であるかといった「人柄」や、日本語や他の教育に携わった経験、その国の言語が話せるかどうか、またその国における経験などが総合的に考慮され、採否が決定されることでしょう。また、国によっては、自分自身で生徒を募集し家庭教師として働いたり、「日本語教室」を運営していくことも可能でしょう。その場合にも、CILの日本語教授法習得証明書は大いに役立つに違いありません。(よくある質問:日本語教師としての仕事を、海外でどのように得られるでしょうか?
なお,「日本語教師短期養成コース」を受講する方で学位取得に関心のある方は,提携大学「USAT理工文科大学」の「遠隔地学位取得プログラム(Distance Degree Program)」を受講なさることをお勧めいたします。これにより,「日本語教育学」専攻の「教育学学士号」を取得することができ,就職活動をより有利に進めることが出来るでしょう。

コラム:「ネイティブスピーカーである」ということ

皆さんは、自分が「日本語のネイティブスピーカーである」と言うことが、どれほど大きな意味を持っているかを考えたことはありますか?もしこれまで英語や他の言語を勉強した経験をお持ちでしたら、自分が学習している言語のネイティブスピーカーが、どれほど絶対的な存在かを理解出来ると思います。それもそのはずで、たとえば30歳の日本人は、これまで30年間をかけて、日本語の環境で生活を送り、日本語を学習し、あらゆる活動をその言語でこなしてきたことになります。つまり、あなたが日本人であり、通常の教育を受けた人であるなら、それだけで、すでに日本語に関する膨大で圧倒的な知識と経験を持っている、と言うことになります。それは、外国人の日本語学習者が一生日本語の研究に費やしても、手が届くか届かないかと言うほどのものだと言えるでしょう。ただ、「日本語を教える」となると、その知識や能力に加えて、別の技術が必要となってきます。それは、言語教授の技術であり、当CILの日本語教師短期養成コースはその面で皆さんを大いに助けるものとなることでしょう。